2040年問題と消滅可能性都市について

消滅可能性都市とは、2010年から2040年までに20歳から39歳という、若い女性の人口が5割以下になることが予測される自治体のことである。20歳から39歳という年齢層に限定したのは、この年齢層の出産が一番多いからだ。この年齢層の女性が著しく少ない自治体は、次世代の人口も少なくなり、消滅の危機を迎えるだろう。この予測は、地方から大都市へ20歳から39歳の年齢層の3割ほどが流出するという前提に立っている。大都市集中型の生活スタイルが変わるか、または若年層の誘致に成功すれば、消滅可能性都市に指定された自治体であっても、消滅の危機を免れる可能性は高いだろう。消滅可能性都市は、2040年問題が加わることによって、より深刻な事態を想定しなければならない。

自治体の全人口の35パーセントを後期高齢者が占める上に、20歳から39歳の若い女性が5割以下になってしまったら、少子化が加速し、高齢者の割合はさらに高くなるだろう。働く世代の減少により、自治体の税収も減り、高齢者のための社会保障や介護の提供が難しくなってしまう。このような事態を打開するために、地方自治体は様々な工夫を凝らしている。中には、若い女性の人口が増えている地方自治体もあるのだ。無料で住める建物の提供といった住環境の整備や、仕事の斡旋などに力を入れるほか、税金を軽減したり、子育ての支援をしたりするなど、若い夫婦の移住促進に成功したのである。