2040年問題は具体的にどんな問題か

2040年問題とは、日本社会で2040年に確実に起こるであろう問題として取り沙汰されているものだ。日本の高齢者である65歳以上の人口が、ピークになると考えられているからである。団塊ジュニア世代と呼ばれる1971年から74年生まれが65歳以上となるため、日本人口のうち約4千万人が高齢者となる可能性が高い。現役世代が急激に減少するため、介護や医療面での人手不足や社会保障費の増加などが懸念されている。現役世代の負担が増加することや、高齢者の貧困化に対しても不安を抱く声は多い。さらに、空き家率が4割を超える自治体も増えてくると考えられ、地方都市の衰退や都市圏の高齢化がより一層増す可能性は高い。高度経済成長期時代に整備した道路や橋及び下水道などの設備も老朽化する可能性は高く、維持や管理のための費用についても不安を抱く人は多いのだ。

対策として提案されているのは、生涯現役社会に変化していくことだ。定年延長や再就職支援を積極的に行い、団塊ジュニア世代をはじめとした高齢者となる世代に生涯働き続けてもらうことで、税収の維持や高齢者貧困化の回避を期待している。老齢年金を受け取りながら働くことが可能なら、70歳以上でも経済的な不安を抱くことは少ない。また、介護や医療面での人手不足を解消する方法として、ロボットやAIなどによる介護支援及び医療サポートを行うことも提案されている。特に、介護ロボットが現在の介護職にどのような影響を及ぼすのか、現場の要望を聞いて実現できるよう努力している技術者も多い。